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「羅漢さんに逢いたくて」の巻

本日3度目の更新です。
昨日、大阪空港を後にして中国道を西進、加西で降りて立ち寄る予定だった「五百羅漢」。
駐車場に車を止めて時計を見ると午後5時前。
「ここ何時までか見て!」、お馴染みさんに確認してもらうと午後5時まで。
仕方ないので帰宅しました。
で、本日改めて、1人で出かけてきました。

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立ち並ぶ羅漢さん
Canon EOS-1Ds Mark III / EF24-70mm f/2.8L USM
2011年8月29日(月) 兵庫県加西市北条町「羅漢寺」にて

午前9時半ごろに入ると、受付は無人。
拝観料200円を箱に入れ、変わりにパンフレットと入場券を取り、羅漢さんのもとへ。
ひとつひとつ全く違った羅漢さんがずらりと並び、私を迎えてくれました。
難しい顔、ビックリしたような顔、笑顔、泣きそうな顔、背の高いものや低いもの・・・、お地蔵様やお釈迦さまに見守れ、羅漢さんたちは並んでいるのです。

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物言わぬ羅漢さん
Canon EOS-1Ds Mark III / EF24-70mm f/2.8L USM
2011年8月29日(日) 兵庫県加西市北条町「羅漢寺」にて

撮影しながら羅漢さんを見て回ると、手に何やら持っているものや手を合わせているもの等、いろんな羅漢さんがいることに気付きました。
髪型もいろいろ。
この羅漢さん、今でこそ一か所に集められていますが、もともとは現在の羅漢寺辺りに散らばっていたのだそうです。
土に埋もれたものや破壊されたもの・・・、大正時代になり、それら羅漢さんを地域の宝として、掘り起こし修繕して1か所に集め、お寺を迎えたのが「羅漢寺」なのだそうです。
裏は幼稚園、横は中学校で前には小学校。
いつも子供たちの元気な声を聞きながら、羅漢さんは立ち続けているのです。

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木陰で涼しい羅漢さん
Canon EOS-1Ds Mark III / EF70-200mm f/2.8L IS USM 
2011年8月29日(日) 兵庫県加西市北条町「羅漢寺」にて

いろんな角度から羅漢さんを撮影していると、子供たちの元気な声が、木々の向こうから近付いてきました。
ひょっこり顔をのぞかせたのは帽子を被った2人の女の子。
私を見つけると「おはようございます」と言ってくれました。
「おはよう」と答えると、その後ろから虫取り網を持った男の子が現れました。
どうやら蝉を取るのに夢中な様子。
抜け殻を見つけて取ったり、蝉を見つけて網を近づけたり。
「おしっこ掛けられるで」なんて言ってました(笑)。
姿が見えなくなりましたが、少し離れたところで声が聞こえています。
そろそろ帰ろうかと、受付前に戻ってくると、先ほどの子供たちが集まって、蝉の抜け殻をたくさん並べていました。
「僕ら、これが目当てで来たん?」と聞くと「ほら!」、葉っぱに付いたままの抜け殻を差し出してきました。
「僕そのまま、写真撮らせてよ」というと、じぃ~と動かなくなってしまったので(笑)、「もっと笑わなあかんやん、ハイ笑顔笑顔」、ニコ~っといい顔をしたのでパチリ。
すると受付から女性が出ていらっしゃいました。
住職の奥さんでした。
聞くと、少し年上のお姉ちゃん2人、最初に挨拶してくれた女の子ですが、羅漢寺を訪れた人のガイドをしているのだそうです。
ボランティアのガイドさんもいらっしゃるそうですが、小学5・6年生の男女約20名もガイドをしているのだそうです。
「この子らもちゃんと案内を覚えて、しっかり案内できるんですよ。もし時間があるんでしたら、案内させましょか?」
夏休みの宿題をすべて終えたから、ガイドをするために来たのだそうですから、いくらでも時間のある私は、
「じゃぁ、おっちゃんの案内してくれる?」と聞くと、2人とも日焼けした笑顔でウンと頷いて、私を案内してくれました。

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100点満点の笑顔
Canon EOS-1Ds Mark III / EF24-70mm f/2.8L USM
2011年8月29日(日) 兵庫県加西市北条町「羅漢寺」にて

小学5年生の2人、正中愛理さんと原朱里さんは「加西市立北条小学校歴史ガイド隊 第7期生」という身分証を付けています。
普段から仲がいいのでしょうか、2人は交代しながら本堂や羅漢さん、菩薩像を紹介・解説してくれました。
時にはクイズを交え、正解がなかなか出ないといろんなヒントを考えて正解できるようにしてくれます。
1人、例えば正中さんが解説している間は原さんが、原さんが解説しているときは正中さんが、お互いの解説が合っているか、詰まってしまうと助け船を出し、大丈夫そうと思うと自分も楽しむ・・・、そんな2人を見ていると如何にも“ベテランさん”という感じがして、すごく頼もしく思えてきました。
グルリ一周案内してもらった後、2人に好きな羅漢さんはあるの?と聞きました。
2人とも「うん、ある」と答えました。
時間をかけてじっくりと羅漢さんを見て回ったんでしょうね、その中からお気入りを見つけたのでしょう。
すぐに案内してくれました。
「顔がおもろい」って言ってたかな。
その羅漢さんを挟んで2人に座ってもらって写真を撮りましたが、木陰で暗い。
「帽子脱ごか」というと、2人とも脱いだ帽子を羅漢さんの頭に(笑)。
これは面白かった。
日の当たる場所へ移動して再び撮影したのが上の写真です。
正中さんも原さんも、これ以上ない良い笑顔を見せてくれました。

受付所へ戻って住職の奥さんとお話をさせていただきましたが、児童をガイドに使うことに関し、小学校の当時の校長先生が力を注がれたのだそうです。
回りの皆さんもその思いを理解され、6年生がボランティアガイドにいろいろと教わり、これまで続けてきたそうですが、今では5年生も参加しているということでした。
こうすることで、子供たち自身が身に付けた案内のコツや、工夫して成功したこと等を、直接伝えることができるのですから、私自身は大変素晴らしいことだと感じました。

正中さん、原さんが来ているTシャツ、学校の先生が作ってくれた世界に一つのオリジナルなのだそうです。
ガイド用のものがあるそうですが、生地が分厚く暑いだろうからと、2人が書いた絵をプリントしたTシャツを作ってくれたのだとか。
地域の皆さんが支え、見守っているからこそ出来る、小学生ガイドなんだなぁと感じました。
もちろん、ガイドのご両親のご理解がなければ成立しません。
ガイドの子たちは「今日も楽しかった」と言って帰るそうです。
家ではご両親に、今日1日のことを話しているのでしょうね。

今日は本当に、かわいいガイドさんに逢えてよかった。
正中愛理さん、原朱里さん、今日はどうもありがとう。
ご両親と一緒に見て下さってますか?
2人のご両親、娘さんのガイド、分かりやすくとても勉強になりました。
其方でしかできない貴重な体験をしていらっしゃいますから、ガイドに出かける日は笑顔で送り出してあげてくださいね。
帰ってきたら、一日の出来事を聞き、思いを分かち合ってください。

今日撮影した写真、羅漢さんの写真と一緒に必ず羅漢寺に届けますから待っててくださいね。
まだまだ暑い日が続くと思いますが、笑顔を絶やさず楽しんでガイドに励んでください。
また会える日を楽しみしています。
髭のおっちゃんより(^-^)。


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写真展「四季を駆ける播但線 -第5回藤原賢吾『播但線』写真展-」抜粋展示のお知らせ

神河町観光協会々長のご厚意により、JR播但線寺前駅待合室に於いて、写真展「四季を駆ける播但線」より7点を抜粋、新たに1点を加えた計8点の写真を展示中です。
合わせて、写真展でもご紹介しました地元在住・黒田裕子さんのエッセイ「播但線コトコト」も引き続きご紹介しています。
神河町にお越しの際は是非お立ち寄りください。

※ご意見等は神河町観光協会さんが取次いでくださいます。

by 95219522 | 2011-08-29 22:23 | その他 | Trackback | Comments(0)
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